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『百升ノ音(ひゃくしょうのおと)』

作者:こうた
最新エピソード掲載日:2026/07/23
作品の雰囲気が伝わるよう、ホラー性と謎を前面に出した予告です。

『百升ノ音(ひゃくしょうのおと)』ストーリー予告

「100日間、限界まで酒を飲み続けるだけ。」

そんな何気ないSNSチャレンジが、若者たちの間で爆発的な人気を集めていた。

ルールは簡単。

机に黒い模様を描き、その机の前で毎日、自分の限界まで酒を飲み、その様子を投稿するだけ。

酒の種類も量も自由。

しかし、誰も知らなかった。

その模様が、明治時代に村の生贄儀式で使われた「死者を呼ぶ印」だということを――。

配信者・神谷透は、過去の炎上を払拭するため、この100日チャレンジに参加する。

酒は弱い。それでも「最後までやり遂げる男」だと証明したかった。

だが、日を重ねるごとに動画には映るはずのない人影が現れ、部屋には酒の匂いが満ち、失踪した参加者たちのアカウントから新たな動画が投稿され始める。

調査の末に辿り着いたのは、百年以上前、村長の命令で酒蔵に閉じ込められ、100日後に命を落とした一家の悲劇だった。

彼らは悪ではない。

ただ、忘れ去られた苦しみと怒りを、現代を生きる人々にも味わわせようとしているだけだった。

100日目を迎えた者は、この世から姿を消す。

そして新たな亡霊となり、次の挑戦者を誘う存在へ変わる。

途中でやめれば命は助かる。

だが、一生酒を口にできない恐怖を背負う。

ズルをすれば呪いは免れる。

しかし、その耳には永遠に死者たちの声が響き続ける。

バズるほど呪いは広がる。

見れば、真似したくなる。

そして誰かが、また黒い模様を机に描く。

これは、SNSから始まった100日間の挑戦ではない。

百年以上続く、生贄の儀式である。
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