【連作短編032】 AI弁護士 ―罪の前には、いつも理由があった―
最新エピソード掲載日:2026/08/01
相談室は、いつも白かった。
扉が開くと、まず猫が入ってくる。名はハル。
次に入ってくるのは、法律補助AI「レイ」。人型ではない。薄い板と、スピーカーだけの存在。
担当弁護士は、いつも来ない。
レイは裁かない。ただ、聞く。
横領、ハッキング、誹謗中傷、家庭内の暴力――罪の形は、依頼人の数だけある。
だが、レイが本当に知りたいのは、罪そのものではなく、そこに至るまでの時間だった。
〇・三秒の沈黙。
言いかけてやめた言葉。
隅で丸くなっていた猫が、時々、誰かの足元に寄っていく。
これは、法廷劇ではない。
面談室に流れる、静かな時間の記録。
扉が開くと、まず猫が入ってくる。名はハル。
次に入ってくるのは、法律補助AI「レイ」。人型ではない。薄い板と、スピーカーだけの存在。
担当弁護士は、いつも来ない。
レイは裁かない。ただ、聞く。
横領、ハッキング、誹謗中傷、家庭内の暴力――罪の形は、依頼人の数だけある。
だが、レイが本当に知りたいのは、罪そのものではなく、そこに至るまでの時間だった。
〇・三秒の沈黙。
言いかけてやめた言葉。
隅で丸くなっていた猫が、時々、誰かの足元に寄っていく。
これは、法廷劇ではない。
面談室に流れる、静かな時間の記録。
第一話 足元:法律補助AIと、一匹の猫が、白い面会室で十七歳の話を聞く。
2026/07/23 19:19
第二話 顔色:娘という言葉が出るたびに、息を止めていた。
2026/07/24 19:09
第三話 温度:データに、温度はない。——そのはずだった。
2026/07/25 18:27
第四話 圧力:月曜の朝が、七カ月続いた。
2026/07/26 10:46
第五話 穴:十八年、一人で経理を続けた男
2026/07/26 19:10
第六話 鍵:理由のない事実は、記録できない。
2026/07/27 19:00
第七話 囮:「あなたはもう、十分やった」——その言葉が、出口になる前に。
2026/07/28 19:01
第八話 記録:二歳は、まだ話せなかった。
2026/07/29 19:05
第九話 暗号:元社員が古巣に仕掛けたのは、暗号か、それとも問いかけか。
2026/07/30 19:05
第十話 出来心:八年間、一度もしなかったことを、その日だけした。
2026/07/31 18:31
第十一話 数字:フォロワーが増えるほど、止まれなくなった。
2026/08/01 09:35
第十二話 ペダル:五十年、無事故。それでも、ペダルは踏み間違えた。
2026/08/01 23:51