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MARRY ME, NIGHTMARE

最終エピソード掲載日:2026/10/03
「私も、何か特別なものになれたらいいのに」

月城ミユは、どこにでもいる普通の女子高生だった。

友達もいる。家族もいる。学校生活も、それなりに楽しい。

だけど――何をしても「中の上」。

特別な才能も、誰にも負けない夢もない。

そんな自分を、ミユは少しだけ退屈だと思っていた。

ある夜、帰り道で見つけた奇妙な自動販売機。

そこには、たった一つだけ見たことのない商品が並んでいた。

『幸福』――100円。

怪しいと思いながらも、ミユはその缶を買ってしまう。

そして「幸福」を飲んだ瞬間――世界から、すべての音が消えた。

次に目を覚ましたミユは、ミントブルーの髪とピンクの衣装をまとった魔法少女になっていた。

可愛い姿。
魔法の力。
誰かに必要とされる毎日。

「ミユちゃん、ありがとう!」

「ミユがいてくれてよかった!」

今まで欲しかったものが、全部そこにあった。

そして、いつもそばにいる白いクマのぬいぐるみが言う。

「君は、幸せになっていいんだよ」

けれど、幸福には終わりがある。

午前零時。

魔法少女の時間が終わり、ミユは元の日常へ戻ってしまう。

やがて現実と魔法の境界が崩れ始めた頃、ミユの前に一人の魔女が現れる。

彼女が差し出したのは、一つの赤いリンゴ。

「それを食べて。あなたは、まだ帰れる」

幸福を与えてくれた白いクマ。

現実へ帰そうとする黒い魔女。

果たしてミユが最後に選ぶのは――。

これは、幸せになった少女の物語。

そして――幸せになりすぎた少女の、物語。
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