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架空戒(かくうフロア)

作者:じゅラン椿
最終エピソード掲載日:2026/10/13
高層ビル。そこには存在しないはずの階がある、という噂があった。

 深夜、強い欲望や、誰にも言えない"本音"を口にした者だけがエレベーターの表示に見慣れない文字を見る。
『架空戒』通常の階数には存在しない。最上階の更に上。そのたどり着いた者を迎えるのは、静かな案内人。
密話 勇造(みつわ ゆうぞう)穏やかな口調で告げる。

 『お客様のわがままを受け入れます、が条件があり、そちらから、代わりに何かをいただきます』

架空戒では、願いが叶う。成功・愛情・若さ・復讐・才能・経験・時間、承認。

心の奥底に隠していた、"本当の欲望"ほど強く現実になる。願いを口にしたものは、少しずつ気づかない"代償"を失っていく。

ある人は、自分を愛してくれた人の記憶を失う。理想の人生の代わりに、元の自分の存在が現実から薄れていく。

 最も恐ろしいのは、架空戒が、誘う場所ではなく、自ら願ってしまった人だけが、自ら引き寄せられるということなのだ。

ちょっと切ない、哀しい、愛しい、ミステリーストーリー。
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