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帝都令嬢怪異譚 

作者:宇賀神怪人
最新エピソード掲載日:2026/09/09
大正十年。

日本は未曾有の繁栄のただ中にあった。

明治維新によって生まれた立憲君主国家・大日本帝国は、日本列島と竜宮諸島、蓬莱諸島、琉球を海路で結ぶ海洋国家として、飛躍的な発展を遂げていた。

竜宮と蓬莱から産出する豊かな資源と、近代工業力を背景に、東洋有数の大国へと成長した日本。その首都である帝都東京は、今や「東洋の巴里」と謳われる華やかさを誇っている。

路面電車が街を縦横に走り、自動車の警笛が賑やかに響く。

人々が行き交う大通りの上空では、巨大な飛行船が青空を悠々と航行していた。

後世に「大正デモクラシーの黄金期」と称されるこの時代、人々は科学と産業がもたらす明るい未来を、疑うことなく信じていた。しかし、その輝かしい繁栄の陰で、世界は静かに歪み始めていた。


欧州大戦。


人類が初めて工業文明の総力を挙げて戦った、未曾有の大戦争。

数千万もの命を奪ったその戦いは、人間の社会だけでなく、世界の霊的な均衡までも根底から揺るがしていた。

戦争終結から三年が経ち、戦いの傷跡も、世界を覆ったスペイン風邪の惨禍も、表向きには過去のものとなりつつある。

だが、ごく一部の者だけは知っていた。

――あの戦争は、地獄の蓋を開けてしまったのだと。

今も世界の何処かの夜の暗がりで、怪異が人を襲う。

それを真正面から認めようとする者は少なく、信じる者はさらに少ない。

光が強くなればなるほど、影もまた深く濃くなる。

これは、史実とはわずかに異なる大正時代。

華やかなりし帝都の裏側で、人知れず怪異と戦い、世界を守り続けた少女たちの物語である。
序章 黒い影
2026/09/04 01:46
第一章 二人の令嬢
2026/09/04 03:03
第二章 鳴神秋一郎
2026/09/04 06:15
間章 地下の楽園
2026/09/04 11:33
第三章 夜会
2026/09/05 14:06
第四章 樒男爵
2026/09/05 18:19
第五章 襲撃
2026/09/05 23:08
間章 大正七年十一月
2026/09/06 19:58
第八章 決戦 其の壱
2026/09/09 07:53
第九章 決戦 其の弐
2026/09/09 08:18
エピローグ
2026/09/09 15:02
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