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十彩獣団

猿寺の凍れる夏

作者:孔雀丸
最終エピソード掲載日:2026/09/11
七月十五日、期末テストの成績を母に叱責されることを恐れ、家へ帰れずにいた高校一年生・布目優は、恐竜の鬼・牙蓮に導かれ金津美里と出会う。美里は優の苦しみを受け入れるように見せながら、人間として生きる選択肢を一つずつ否定し、「鬼になる道」へ誘導する。こうして優は、クリオロフォサウルスの力を宿す鬼・凍珠となった。

九日後、北潟慎悟ら十彩獣団は、脇出美奈子、指中莉奈らと寿満寺で特別合宿を開始する。そこでは、歩美・莉奈・住職の寿蒙が持つ三種類の回復札を比較し、鬼を消滅させず人間へ戻せる可能性を探ることになる。

一方、覇竜十傑に選ばれなかった斬牙は、地位を取り戻すため寿満寺周辺の猿を襲撃する。慎悟たちは負傷した老人や猿を救いながら斬牙と対峙するが、傷を抱える慎悟は前線に立たず、仲間へ指示を出す役割を担う。慎悟が戦わなくても十彩獣団は連携して動き、彼自身も「戦うこと」と「指揮すること」は違わないと学んでいく。

莉奈の回復札によって斬牙の人間性が一時的に呼び戻され、鬼化を解除できる可能性が見え始める。しかし、それを危険視した美里は凍珠へ斬牙の粛清を命じる。再び寿満寺を襲った斬牙は、歩美たちによって救われる寸前、凍珠の矢に射抜かれて消滅する。

凍珠の正体が、伊織と綾実の中学時代の同級生・布目優だと判明。かつて同じ弓道部にいた伊織は衝撃を受ける。

斬牙は倒れた。しかしそれは勝利ではなかった。慎悟たちは、鬼を倒すだけでなく、その中に残る人間を取り戻す道を探すと決意する。

慎悟は仲間たちへ告げる。

「次に会った時は、布目優を倒すんじゃない。凍珠から、取り戻す」

その頃、金津邸地下では古い棺が震え始めていた。覇竜十傑の完成は終着点ではない。人間が「選び直す道」を閉ざす、さらに巨大な計画が動き始めていた。
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