テルナ・ヴァイド -失われた神と残された記憶ー
最新エピソード掲載日:2026/10/14
創造神が五百年前に姿を消した世界、テルナ・ヴァイド。
そこでは、人々は記憶を代償に魔法を使う。
強い力を振るうほど、失われていくのは、名前や約束、愛した人の顔、そして自分自身を形づくる大切な時間だった。
現代日本で緩和ケア病棟に勤める看護師・柳井蒼は、何人もの最期に立ち会いながら、自分が本当に誰かを救えているのか分からなくなっていた。
命を救えない。
苦しみの意味も説明できない。
それでも、ただ手を握り、隣にいることだけはできた。
ある夜、一人の患者を看取った蒼は、答えの出ない問いを抱えたまま、神のいない異世界へ落ちる。
そこで出会ったのは、銀灰色の髪と三日月形の傷を持つ魔法士、フィーナ・アルセン。
魔力を持つことが当然の世界で、蒼には魔力がない。
それにもかかわらず、彼は生きていた。
やがて蒼は、死者や物に残された記憶と感情の痕跡――「残響」に触れる力を持つことを知る。
痛み。
恐怖。
後悔。
愛情。
そして、最後まで守ろうとした想い。
それらを自分のものとして受け取る力は、誰かを救うためのものなのか。
それとも、死者の苦しみを背負い続ける呪いなのか。
蒼はフィーナとともに旅を続ける中で、記憶を売る人々、神の帰還を信じる者たち、世界を変えようとする者たち、そして五百年の時を生きる者たちと出会っていく。
誰も完全な正義を持たず、
誰も確かな答えを知らない。
記憶を失っても、愛した事実は残るのか。
正しい目的のためなら、犠牲は許されるのか。
過去を失っても、人は同じ人間でいられるのか。
命を救えなくても、誰かの隣にいることには意味があるのか。
失い、迷い、ときには傷つけ合いながら、蒼とフィーナは、神が消えた理由と、この世界に残された記憶の真実へ近づいていく。
これは、強さを手に入れて世界を支配する物語ではない。
答えを持たない者たちが、
それでも誰かの手を取り、
自分たちなりの生き方を選んでいく物語。
この世界に神はいない。
それでも、生きることを選んだ。
☆ 本作品はnoteでも同時掲載しています。
第1章「死にゆく者の隣で」
Scene 1 後悔している
2026/07/03 18:56
(改)
Scene 2 三百人目の夜明け
2026/07/03 19:05
(改)
Scene 3 橋の上の問い
2026/07/03 19:21
Scene 4 魔力がない、生きてる
2026/07/04 00:16
(改)
Scene 5 まだ殺してない
2026/07/04 19:50
(改)
Scene 6 死んだ獣の声
2026/07/05 09:34
(改)
Scene 7 この世界に神はいない
2026/07/07 18:45
(改)
第2章 忘れても、愛は残るのか
Scene 8 記憶を売る街
2026/07/10 21:20
(改)
Scene 9 名前の残らない人々
2026/07/12 12:13
(改)
Scene 10 大丈夫です
2026/07/12 19:36
(改)
Scene 11 忘れてしまった顔
2026/07/16 18:22
(改)
Scene 12 消えない顔
2026/07/17 20:11
Scene 13 時計を直す男
2026/07/19 10:59
(改)
Scene 14 神殿の二つの顔
2026/07/20 10:15
Scene 15 五百年を知る者
2026/07/23 21:26
閑話1 最初の給金 (Scene15の後)
2026/07/25 23:52
閑話2 旅装を整える (閑話1の翌日)
2026/07/26 13:22
第3章 正義という名の暴力
Scene 16 浄化、と呼ぶ
2026/08/02 00:31
Scene 17 忘れるな
2026/08/06 19:38
(改)
Scene 18 神殿を壊す女
2026/08/08 13:48
Scene 19 パン屋になります
2026/08/15 08:30
Scene 20 古い顔
2026/08/16 09:18
Scene 21 必要な犠牲
2026/08/16 23:13
(改)
Scene 22 優しすぎる
2026/08/22 12:07
閑話3 息を数える (第3章の後)
2026/08/23 11:45
閑話4 焦げる前に言え
2026/08/23 12:40
第4章 届かない手
Scene 23 西街道
2026/09/05 22:19
(改)
Scene 24 傷つく者たち
2026/09/06 15:58
Scene 25 大丈夫です
2026/09/08 21:20
Scene26 まだ間に合う
2026/09/10 19:04
Scene 27 届かない手
2026/09/11 19:46
Scene 28 最後の声
2026/09/13 15:24
(改)
Scene 29 あなたは誰
2026/09/14 20:43
第5章 神なき世界の祈り
Scene 30 音のない街
2026/09/22 02:05
Scene31 知らない人
2026/09/22 12:59
(改)
Scene 32 残された鞄
2026/09/22 20:33
Scene 33 答えのない夜
2026/09/24 22:48
Scene 34 必要だったのか
2026/09/25 20:05
(改)
Scene 35 少しだけ怖くなかった
2026/09/26 22:31
Scene 36 知らないままで
2026/09/27 20:27
閑話5 持っていくもの (Scene36の後)
2026/10/02 19:33
(改)
閑話6 パンを二つ(閑話5の後)
2026/10/03 18:22
(改)
閑話7 道の途中で
2026/10/04 10:25
(改)
第6章 選択の重さ
Scene37 神殿都市カルテス
2026/10/07 21:02
(改)
Scene38 救いたかった男
2026/10/12 15:04
(改)
Scene 39 記憶保管庫
2026/10/14 21:35