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レムリア記

作者:相神 透
最新エピソード掲載日:2026/11/05
宮廷の夜会で婚約破棄が宣言されたとき、ハーディは料理卓でパンを食べていた。

十六歳の宮廷魔術師。名誉や出世より、気になる魔術の仕組みと、温かい夕食が大事。故障した魔導灯を直し、事故の芽を摘み、誰にも気付かれない仕事を片付けてきた。

そんな彼も、調査もなしに令嬢を牢へ送るという皇子の命令は聞き流せなかった。騒ぎを収めるため口を挟んだ結果、なぜか自分の派遣契約まで破棄されてしまう。

三年間の宮廷勤務は、これでおしまい。
所属する「アルカン塔」へ戻った彼に与えられた次の仕事は、各地の魔法環境を調べて歩く巡回視察だった。

まずは、六年ぶりの故郷へ。
けれど、帰り道にも気になるものは尽きない。市場に並ぶ魔術素材の違和感、見知らぬ道具の仕組み、路地の奥から漂う焼き魚の匂い。

分からないことは確かめたい。面白いものは、もう少し見ていたい。

宮廷を離れた少年魔術師が、人々の暮らしと魔術に触れながら、レムリアの世界を歩いていく旅の物語。
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