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超アイテム強化シリーズ

強化倍率∞ ~最弱足軽、《道具超強化》だけで天下を獲った男~

作者:伝説の男前
最新エピソード掲載日:2026/07/19
乱世を語る書物は数多い。

刀を振るい、槍を交え、一代で国を興した英雄たちの物語は、後の世まで語り継がれてきた。だが、この書に記すのは、そうした武功譚とは少し違う。

主人公の名は、常磐練(ときわ れん)。

後の世で「天下を鎮めた男」と呼ばれることになる人物でありながら、その生涯を通じて、彼は一度たりとも刀を巧みに振るったことがない。馬にまたがり戦場を駆けたこともなければ、一騎打ちで名を上げたこともない。膂力は並の足軽にも及ばず、武芸の心得もついに身につかなかった。

それでも、彼は乱世を鎮めた。

彼が持っていたのは、ただ一つ。手にした道具の理(ことわり)を見極め、それを高め尽くす力だけであった。錆びた脇差から始まり、火縄銃、大筒、軍船、そしてこの国のかたちそのものに至るまで――彼は自らの腕ではなく、己が理解し、信じ抜いた道具の力によって、時代を動かしていった。

多くの記録には、こう記されている。

「常磐殿は、いつも申し訳なさそうにしておられた。手柄を立てるたび、まるで自分ではなく道具が成したことのように語られる。だが、それこそが、あの御方の強さであったのかもしれぬ」

弱きままで、乱世を渡り歩いた男の物語。

これから語るのは、その始まりである。永禄の空の下、置き去りにされた一人の少年が、雨に濡れた竹束の陰で、一振りの脇差を握りしめたところから――すべては始まった。

(第一部 覚醒編、第一話へ続く)
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