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魔法が世界を壊した三百六十五日〜愛する者を救うため魔法を手にした重歩兵は、世界を救うために再び「クソ重たい鉄の盾」を構える〜

作者:祐希ケイト
最終エピソード掲載日:2026/11/08
「俺たちはただ、泥水をすする地獄からあいつを救い出したかっただけだった――」
銃と大砲が飛び交う最前線。工業帝国アーベントの最底辺である「重歩兵」として、分厚い鉄の盾を構え、使い捨ての肉壁として生きる孤児の青年レオン。
彼は幼馴染の衛生兵アイリスを安全な後方へ送るため、親友カインと共に軍の極秘実験に志願する。
心臓に埋め込まれた『M.A.G.I.C.チップ』。
それは三十キロの盾を捨て、指先一つで敵を蹂躙できる「魔法」という名の圧倒的な奇跡だった。
泥犬と蔑まれていた彼らは無敗の英雄となり、初めて手にした強大な力に陶酔していく。
だが、魔法の力に溺れた激戦の最中、巻き込まれたアイリスが瀕死の重傷を負ってしまう。
さらに軍はレオンの同意なく、彼女を延命させるためだけにチップを埋め込み、その命を「従わせるための人質」として残酷に繋ぎ止めた。
絶望の中、レオンは敵国の捕虜から決定的な真実を知らされる。
神の奇跡であるはずの『魔法』。その正体は、敵国から水分と空気を根こそぎ奪い取り、世界を緩やかに殺していく【局地環境搾取兵器】だったのだ。
「このままじゃ、世界が死ぬ。アイリスも、一生軍の呪縛からは逃れられない」
魔法システム(コア)の破壊を決意するレオン。
しかし、魔法による豊かな暮らしを捨てきれない親友カインが、圧倒的な力で立ち塞がる。
世界を殺す魔法を終わらせるため。
そして、呪われた延命装置に繋がれた愛する少女を、今度こそ人間の手で救い出すため。
男は胸の悪魔(魔法)を抉り出し、再び「クソ重たい鉄の盾」を構える。
これは、魔法という言葉が存在したたった一年の間に、世界を壊し、そして世界を救った底辺歩兵の記録。
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