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俺を捨てた婚約者が「家が滅びそうだ」と助けを求めにきたが、もう遅い

作者:栗藤久友
最終エピソード掲載日:2026/09/16
幼い頃、戦乱によって父と故郷のすべてを失ったコンラートは、アルテンフェルト公爵家に引き取られた。

冷たい食事を与えられ、客人とも家臣とも呼べない立場に置かれた少年を救ったのは、公爵令嬢アリエノールだった。

彼女は優しく慰めたわけではない。

「お父様がお守りすると決めた方を粗末に扱うなんて、我が家は温かい汁物すら惜しむほど落ちぶれたのですか?」

ただ、正しいと思ったことを言っただけだった。

やがて成長したコンラートは故郷を取り戻すため戦場へ向かい、二人は未来を約束する。

古い屋敷を直そう。
寒い土地では、お揃いの外套を着よう。
庭には二人で薔薇を植えよう。

その約束に、嘘はなかった。

――それから、長い年月が流れた。

故郷を取り戻し、彼女を迎える準備を整えたコンラートのもとへ、アリエノールが訪れる。

かつて愛した男に、別の男を救ってほしいと頼むために。

これは、約束を違えた女と、それでも彼女を忘れられなかった男、そして一人では国を守れなかった優しい王子の物語。

誰もが何かを失い、それでも人生を生きていく物語。
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