夫は今夜も愛人のもとにいる
最終エピソード掲載日:2026/04/22
夫の馬車が愛人宅へ向かう音を、私は数えるのをやめた。
結婚五周年の翌朝、届いた隣国の建国祭の招待状。月下の回廊で声をかけてきたのは、私と同じ目をした公爵だった。
「妻が吟遊詩人と駆け落ちしました」「夫は今夜も愛人のもとにいます」。
笑いあった私たちは、やがて、二国間の古い条項をひとつ、目覚めさせる。
元夫が雨の門前で跪いた朝、私は桃のパイを焼いていた。焦げ目を、少し、気にしていた。
結婚五周年の翌朝、届いた隣国の建国祭の招待状。月下の回廊で声をかけてきたのは、私と同じ目をした公爵だった。
「妻が吟遊詩人と駆け落ちしました」「夫は今夜も愛人のもとにいます」。
笑いあった私たちは、やがて、二国間の古い条項をひとつ、目覚めさせる。
元夫が雨の門前で跪いた朝、私は桃のパイを焼いていた。焦げ目を、少し、気にしていた。
第1話 一,二六四回目の夜
2026/04/22 12:18
第2話 書類は、書けません
2026/04/22 12:18
第3話 あなたは、困っているだけですね
2026/04/22 12:18
第4話 家紋の取り違え
2026/04/22 12:18
第5話 穀物は、出荷されません
2026/04/22 12:18
第6話 お前の妻は、どこにいる?
2026/04/22 12:18
第7話 借金証文、三人分
2026/04/22 12:19
第8話 偽造された、外交文書
2026/04/22 12:19
第9話 条約調印式、隣席は空席のまま
2026/04/22 12:19
第10話 桃のパイの焦げ目
2026/04/22 12:19