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【ストック】〜能ある鷹は平穏を望む〜

作者:忍者
最新エピソード掲載日:2026/11/03
前世の終わり、暴走するトラックから見知らぬ少女を突き飛ばし、代わりに命を落とした男。
果てしない星々が渦巻く神殿で目覚めた彼は、世界の理を司る神の前に立っていた。

他者を救った高潔な魂を讃えられ、異世界への転生と新たな『スキル』の授与を提示された男が望んだのは――英雄としての名声でも世界の覇権でもなく、「日当たりの良い場所で温かい紅茶をすする、平穏な暮らし」だった。

神が差し出す運命の天秤が選んだのは、神たる存在すら未知の領域を残す歪なスキル【ストック】。
1日1項目、己のステータスを削って内部領域へと蓄積する権能だ。
引き出し方すら分からず、ストックしている間は肉体が限りなく無力化してしまう奇妙な力。

『力の大半を失うだけに終わるかもしれぬのだぞ?』と懸念する神に対し、男は飄々とした笑みを浮かべる。

「目立たず静かに暮らしたい私にとって、普段の力を抑えられるのは望むところです。いざという時の仕込みと思えば悪くありませんよ」

こうして、能ある爪を隠し持つ男の、静かで少しズレた異世界ライフが幕を開ける――。
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