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「馬車にあなたの席はないわ」と継母が言うので、乗合馬車で夜会へ。隣に座ったのは公爵閣下でした【連載版】

作者:みれいぬ
最新エピソード掲載日:2026/10/28
「馬車にあなたの席はないわ。アンブルのドレスは裾が広いの」父が継母と再婚して三年。伯爵家の四人乗りの馬車に、長女クレマンスの席があったためしはない。義妹のドレスの箱が座り、継母は扉を閉める。

だからクレマンスは、手提げから回数券を出す。緑の乗合馬車、運賃は銅貨二枚。乗合馬車には、いつでも席がある。

舞踏会の夜、乗合の一番奥でいつも本を読んでいる地味な外套の男性が、今夜は王宮前で一緒に降りた。門の衛兵が背筋を伸ばす。「閣下」

「乗合で来るなど家の恥ですわ」と言う継母に、その人は首をかしげた。「乗合馬車は、私の事業だが?」

婚約して公爵家へ移ったクレマンス。けれど「乗合で公爵に見初められた令嬢」の噂のせいで、緑の夜の便には裾の広いドレスの令嬢たちが押し寄せ、パンの籠を抱えた常連が座れなくなっていた。

※短編版をもとに、公爵と車掌の視点を足して書き直し、第10話から先へ進む連載版です。
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