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刀を捨てた男と刀を持たない男

作者:カトーSOS
最新エピソード掲載日:2026/11/03
朝倉直人は、気がつけば幕末の日本にいた。

どうしてこの時代に来たのかは分からない。

東海道をふらふら歩きながら、商人の用心棒や御用聞きで日銭を稼ぎ、ときには貯めた金で道場を訪ね、謝礼を払って稽古をつけてもらう。

宿にはほとんど泊まらない。
荷物はリュックひとつ。
水浴びやたまの銭湯で身を清め、無駄金を使わない暮らしを続けていた。

やがて江戸へたどり着いた直人は、女郎宿の用心棒となる。

雨風をしのげる寝床があり、金も稼げる。
酔客の揉め事なら、取り押さえて外へ放り出せばいい。
思いのほか居心地のいい生活だった。

そして、金が貯まるとまた道場へ行く。

ある日、直人が訪れたのは千葉道場。

いつものように謝礼を払い、木刀を手に稽古を始める。

ただし彼の剣術は、少し変わっていた。

斬るのではない。

剣で相手を崩し、投げる。

その妙な男を、道場の隅から興味深そうに見ている男がいた。

坂本龍馬。

もちろん直人は、彼がそこにいることなど知らなかった。


※不定期更新の連載になります。

千葉道場
2026/08/25 20:00
入身投げ
2026/09/01 20:00
さな子
2026/09/08 20:00
買い物
2026/09/15 20:00
桂小五郎
2026/09/22 20:00
練兵館
2026/09/29 20:00
目的
2026/10/06 20:00
いない
2026/10/13 20:00
惨敗
2026/10/20 20:00
報告
2026/10/27 20:00
合気道の欠点
2026/11/03 20:00
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