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刀を捨てた男と刀を持たない男  作者: カトーSOS


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練兵館

挿絵(By みてみん)


第六話 練兵館



坂本くんが負けた。


その話を聞いた直人は、翌日にはを練兵館を訪ねていた。


桂小五郎という男がいるらしい。


坂本龍馬に勝った剣士。


それだけで十分だった。



道場の責任者に事情を話し、いつものように謝礼を渡す。


道場破りではない。

稽古をつけてもらいたいだけだ。


話はすぐについた。



「お願いします」


向かってきた門人の木刀をかわす。


一歩入る。


腕を取り、身体を回した。


相手が床を転がる。


「次、お願いします」


直人は次の相手に向き直った。



だが、目は別のところを見ていた。



桂小五郎。



少し離れたところで、門人を相手に木刀を振っている。



直人は思わず手を止めそうになった。



すごい。



力の剣だ。



打ち込むたびに、木刀そのものが重く見える。


受けた相手の身体ごと押し込んでいく。



なのに――速い。



「うわっ」


目の前の門人が打ち込んできた。


「あ、すみません」


直人は身体をずらし、そのまま相手を投げた。



もう一度、桂を見る。



速い。


しかも、速いだけじゃない。


一振り一振りが重い。



直人は少し笑った。



「なるほど。坂本くんが負けるわけだ」

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