十年ぶりに「お帰りなさい」と言ってくれた人の話
最終エピソード掲載日:2026/04/18
「子の生せぬ妻はいらぬ」――十年連れ添った夫の一言で、私は実家に戻った。
荒れ果てた門前に、白装束の老爺が雪の上に正座している。亡き祖母の代から仕える、この家の屋敷神様であった。嫁いでから一度も呼ばれなかった私の名を、十年間、誰もいない座敷で呼び続けてくださっていたという。
翌朝、白い狐を肩に乗せた若き宰相が、門を叩いた。
――愛されておりました。知らなかっただけでございました。
荒れ果てた門前に、白装束の老爺が雪の上に正座している。亡き祖母の代から仕える、この家の屋敷神様であった。嫁いでから一度も呼ばれなかった私の名を、十年間、誰もいない座敷で呼び続けてくださっていたという。
翌朝、白い狐を肩に乗せた若き宰相が、門を叩いた。
――愛されておりました。知らなかっただけでございました。
第1話 十年ぶりの帰郷
2026/04/18 14:35
第2話 祖母の書簡
2026/04/18 14:35
第3話 十年遅れの縁談
2026/04/18 14:35
第4話 奉納物の気
2026/04/18 14:35
第5話 半日の沈黙
2026/04/18 14:35
第6話 門前の客人
2026/04/18 14:35
第7話 海の底の声
2026/04/18 14:35
第8話 月の下の誓い
2026/04/18 14:35
第9話 残響
2026/04/18 14:35
第10話 お帰りなさい、と言ってくれた人たち
2026/04/18 14:35