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『東方異変録』 ―異世界転移したのでカードを出したら森が生えて俺は死んだ件について―

作者:オオマガリ
最新エピソード掲載日:2026/09/01
二十七歳、会社員。趣味はカードゲーム。

ある夜、帰宅途中だった俺は、見知らぬ荒野に放り出された。

水もない。人もいない。手元にあるのは、財布とスマホと、いつものデッキだけ。

だったらまあ、一応、試してみるじゃないですか。

異世界転移のお約束ってやつを。

俺はデッキから《森林》を一枚抜いて、地面に置いた。

  ――――

ある夜、王国の東の果て、何もないはずの草原に、一夜にして深い森が生え、湖が湧き、彼方には赤い山がそびえ立った。

辺境の町は仰天し、検分し、議論し、やがて畑を耕すのと同じ顔で、それを暮らしに組み込み始めた。

これは、地に足のついた人々が、説明のつかない隣人と堅実にやっていく、観察と段取りと帳面の記録である。
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