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グレンツシュタイン検認録

作者:篇乃綴り堂
最新エピソード掲載日:2026/08/08
大陸の中央に広がるヴェルデンローエ王国。建国四百年、戦争よりも「文書」で領土を治めてきた官僚の国。

この世界では署名と印章を伴う言葉に力が宿る。契約は文字通り土地を縛り、境界石グレンツシュタインに刻まれた銘は文字通り国境を守る。王国の本当の屋台骨は騎士団ではなく、膨大な台帳を管理する王立文書院である。庶民の暮らしにも小さな「認め印」の魔法が根づき、戦闘級の銘章は国家資格制。役所仕事と魔法が融合した、堅牢で、少しばかり融通の利かない世界。

百年に一度、王国中の境界石の契約を検め直す国家事業「大検認」が始まる。下級記録官テオは貧乏くじを引き、護衛のリーケと共に巡回検認官として辺境へ旅立つことに。出張費の攻防、噛み合わない相棒、田舎役場の洗礼――ところが最初の任地で、テオは台帳の海の中に「あってはならない食い違い」を見つけてしまう。規則の人テオにとって、それは放置という選択肢のない「事件」だった。
第一部 食い違いの線
第二部 南の暦、北の歌
第三部 名なしの十三日
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