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博物館寄贈品室の怪異台帳 〜いわく付き収蔵品は、正しく記録すれば祓える〜

作者:黒木 あん
最新エピソード掲載日:2026/07/10
「祖父の遺品です」と寄贈された手鏡。寄贈経緯書には、不自然な空白があった。

地方博物館の寄贈品整理係・須藤ナナミの仕事は、持ち込まれる収蔵品の来歴を調べ、台帳に記録すること。霊感はない。ただ「物の来歴の矛盾を見抜く眼」だけがある。
博物館には公にされない「区分外収蔵庫」がある。曰く付きの品を隔離し、正しく台帳に記録することで封じる場所だ。記録の不備は、そのまま事故になる。

手鏡の来歴を辿ると、同じ鏡が過去に三度、別人の名で寄贈されていた記録が出てきた。そして台帳に記載した夜、閉館後の防犯カメラに、整理係の制服を着た「誰か」が映る――その時刻、ナナミは家にいたはずだった。

前任者はなぜ収蔵庫で失踪したのか。怪異品を博物館に「捨てに来る」者は誰なのか。
戦わない。祓えない。ただ正しく記録するだけ。それでも、台帳に載せられなかった品は、確実に増えていく。

収蔵台帳・寄贈経緯書・調査記録票――文書だけが、あなたを守る。
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