↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

念のためと夫に呼ばれ続けて、三年目の朝が来た

最終エピソード掲載日:2026/05/29
私の名前は、もう、念のためと呼ばれない。
三年、夫の口から出るその四文字を、私は数えてきた。

朝食の白湯に浮かぶレモンの皮ほど、軽い四文字。
その朝、夫は商会の令嬢を改鋳の主任に据えた。
私の印は、最後にひとつ押せばいい、と言われた。

私は、最後の試金石を白布にしまった。
戻る先は、実家ではない。
三年休んでいた、自分の机だ。

地金の小数点は、誰の印が飾りだったかを正直に教える。
中央から来た監察使は、まず私の控えから疑った。
私はそれを当然と思い、青表紙の台帳を差し出した。
私はもう一度、どの紙に、誰の名前のために、印を押すのか。

それを、まだ、決めていない。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。