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お義兄さんといっしょ

お義兄さんといっしょ1〜魔法のレシピ帳編〜

作者:駄才乃
最終エピソード掲載日:2026/05/28
 エリート総合商社マンとして多忙な日々を送る一ノ瀬直也は、実父が再婚する事となり、義母とその連れ子である一ノ瀬保奈美と同じ屋根の下で暮らす事となる。

 不幸な事故を経て、「家族」として暮らしてく事になった2人。直也は、高校生の義妹・保奈美を自分自身で育てていく事を決意した。幼い頃から母と二人きりで過ごしてきた保奈美にとって、直也は「お義兄さん」であると同時に、尊敬と憧れを抱く特別な存在になっていく。

 そんな保奈美はある日、直也の亡くなった実母が残していた「料理ノート=魔法のレシピ」を見つけるのだった。そして多忙な直也の健康を支える為に、料理の腕前を少しずつ磨いていくことになる。

 直也の周囲には、様々な女性たち——冷静で仕事で支えてくれる同期の玲奈、直也が新人時代のチューターであった頃から、直也をサポートしてくれる先輩の亜紀、そしてご近所の幼馴染である4つ下の莉子——が存在する。直也にはそれほど自覚はないが、彼の周囲の女性は、彼の一挙手一投足に注目している。

 直也もまた、健気に寄り添う保奈美の姿に心を揺さぶられるが、義兄としての責任、そして成人するまでの彼女を守らなければならないという自覚が、彼を大きく制約している。それでも保奈美には、誰よりも近くで日常を共にし、彼の弱さに寄り添えるという、かけがえのない強みがあった。

 「憧れ」と「まだ名前を持たない感情」とが交錯する日々。義兄妹という境界線の前で、直也と保奈美は互いの存在をどう受け止めていくのか。周囲の女性たちもまたその行方を見守り、時に競い合うことになる。

 本作は、残されたたった2人だけの家族となった直也と保奈美を中心として、少しずつ心の距離を変えていく周囲の人たちを巻き込んだ、ささやかな日常と揺れ動く感情を丁寧に描き出す。切なくも温かなビジネス・青春群像劇である。
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