永久保存性理論
最新エピソード掲載日:2026/06/20
人を含むあらゆる生命や物質は、どこまで「存在したもの」として残り続けることができるのか。
生命には死があり、物質には崩壊や変質がある。人の身体はやがて形を失い、その記憶や人格も、時間の中で読み取れないものになっていく。しかし、それをもって存在は完全に消滅し、永遠の無へ到達したと言えるのだろうか。そもそも、何も存在しない「無」とはどのような状態であり、それを存在の外側にあるものとして定義することは可能なのか。
一方で、何かが永遠に存在し続ける状態も、変化や差異や観測可能性を一切持たないならば、永遠の無と区別できないかもしれない。存在と無の境界は、単に物があるかないかではなく、その存在によって生じた差異が、現在から未来へどのように保存されるかという問題の中にある。
『永久保存性理論』は、数学・物理学・存在論の視点から、保存とは何かを根本から問い直す研究論文である。本論が扱う永久保存とは、生命や物質が同じ姿のまま永遠に残ることではない。位置、運動、情報、因果関係、そして存在したことによって世界に生じた差異が、変化や分解を経た後にも、完全なゼロへ移行せず保存されうるかを問うものである。
存在したものは、本当に「存在しなかった状態」へ戻ることができるのか。本書は、死と消滅、永遠の有と永遠の無、そのあいだに残される最小の存在差から、完全消去することのできない実在の可能性を考察する。
前書き
序文
2026/06/14 22:11
第一章 存在差、及び生と死の区分
第一節 事象の起点と、現在に保存される直線性
2026/06/14 22:54
第二節 有界可能域と、一回目の不可逆的消失
2026/06/17 00:09
第三節 可能差による実在の分離と、位置・運動量の非消失性
2026/06/17 14:57
第四節 選択以前の非二分性と、一回の喪失がまだ存在しない現在
2026/06/17 21:00
第五節 時間の非二分性と、有限時間内における自己到達可能性
2026/06/18 08:29
(改)
第六節 完全自己の領域と、第二位置を持たない時間
2026/06/18 21:15
第七節 情報保存と、純粋な一回性を支える存在量
2026/06/18 23:56
第八節 情報の不変性と、二つ目のサイコロを持たない現在
2026/06/19 08:46
第九節 ブラックホール蒸発と、失われた一つのAの不在
2026/06/19 22:08
第十節 内外を分割しない一回性と、存在が一つであり続けるための連続量
2026/06/20 10:53