猛暑の終末、向かいの部屋の彼とこもって生き延びる
最終エピソード掲載日:2026/10/08
信号待ちの車内で、スマホの気温表示は38度。
片瀬青葉、31歳。帰り道に店へ寄り、カートを3台いっぱいにして帰ってきた。冷凍ストッカーの蓋が、一度では閉まらない。
シャワーを浴びて出てくると、20日の休みの申請が通っていた。
その夜、市から「明日の最高気温は41度以上の見込み」と高温注意情報が届く。やがて停電が起き、スマホは48度を表示したまま、電波を失う。
停電の日、向かいの部屋の年下の男がアイスを一本持ってきた。チェーン越しに断ると、彼はアイスを置いて帰っていった。
管理側の通知を受けて地下駐車場へ避難しても、換気扇は止まり、車は増えていく。外で測った気温は56度。
戻れる場所は、16階の自分の部屋しかない。
私は瀬川と名乗った向かいの彼に、玄関の暗証番号を教えた。
浴槽には冷凍の鶏が浮かび、棚の上には、まだ開けていない箱がある。
片瀬青葉、31歳。帰り道に店へ寄り、カートを3台いっぱいにして帰ってきた。冷凍ストッカーの蓋が、一度では閉まらない。
シャワーを浴びて出てくると、20日の休みの申請が通っていた。
その夜、市から「明日の最高気温は41度以上の見込み」と高温注意情報が届く。やがて停電が起き、スマホは48度を表示したまま、電波を失う。
停電の日、向かいの部屋の年下の男がアイスを一本持ってきた。チェーン越しに断ると、彼はアイスを置いて帰っていった。
管理側の通知を受けて地下駐車場へ避難しても、換気扇は止まり、車は増えていく。外で測った気温は56度。
戻れる場所は、16階の自分の部屋しかない。
私は瀬川と名乗った向かいの彼に、玄関の暗証番号を教えた。
浴槽には冷凍の鶏が浮かび、棚の上には、まだ開けていない箱がある。
第一話 カート三台、休みは二十日
2026/10/05 19:00
第二話 チェーン越しのアイス
2026/10/05 19:10
第三話 駐車場を出る
2026/10/05 19:20
第四話 暗証番号と浮かぶ鶏
2026/10/05 19:30
第五話 干し肉は食べない
2026/10/05 19:40
第六話 ノックは二回まで
2026/10/05 19:50
第七話 電話が切れても、ここに
2026/10/06 19:00
第八話 二人で入る
2026/10/06 19:00
第九話 本名を言う場所
2026/10/06 19:10
第十話 十八階の窓
2026/10/07 19:00
終話 彼の視点
2026/10/08 19:00