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千年妖狐のあやかし花嫁〜婚約者を後輩に奪われた私が、実家の掟で嫁ぐことになった相手は千年生きた妖狐でした〜

最終エピソード掲載日:2026/09/02
稲荷凛、二十七歳。婚約者を会社の後輩に奪われた。

本当のことを話したのに、嘘つき扱いされたのは凛のほうだった。

酒に沈んでいた凛を、姉が山奥の実家へ連れ戻す。三年前、家を出るときに交わした約束があった。二十七までに自分で相手を見つけられなければ、家の決めた許嫁に嫁ぐ。

座敷で待っていたのは、怖いほど綺麗な男だった。

白い髪。金色に見える目。そして、凛にだけ見える耳と、尾。

「よく来たな、凛」
「……いきなり呼び捨てですか」
「生まれから数えるなら、千年を少し越えた」

子どもの頃から、凛には人ならざるものが見えた。誰にも信じてもらえず、見えないふりを覚えた。

その男だけが、笑わなかった。

「見えていたな」

翌日の昼休み。会社の前に、ド派手な外車が停まる。降りてきたのは、山奥にいるはずの千年妖狐だった。

捨てられた女が、格上の男に迎えに来られる。

だが噂は、勝った女にこそ回る。職場の空気は、もう一度、凛を嘘つきにしようとする。

はくは、凛を守らない。
ただ、凛が自分の言葉で立つまで、黙って待つ。

「選ばれたんじゃない。選んだの」

これは、嘘つきにされた女が、自分の意思で千年妖狐を選ぶまでの物語。
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