表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
PR

誰かを縛れば自由になれると言われました

作者:朝吹龍一朗
最新エピソード掲載日:2026/07/19
 薬草採りの娘ミリアは、森で罠にかかった白蛇を助ける。白蛇は少女ネリスの姿となり、礼がしたいから、森の入口で会う大女に「首飾りが欲しい」と言ってほしいと頼む。ミリアがその通りに言うと、大女ガルナは巨大な首飾りを外し、歓喜する。首飾りはミリアの喉に縮んで巻きつき、外れなくなった。それは、欲しいと言った者に譲られることで持ち主を移す呪いの首輪だった。ガルナは長年その首輪に縛られていた魔物であり、ネリスは首輪から生まれた精だった。
 自由になるには、次に首輪を欲しがる者を探し、譲るしかない。だがミリアは、自分が助かるために誰かを犠牲にすることを拒む。三人は旅に出る。売られそうな娘、婚約破棄された令嬢、魔力を搾られる聖女、誓約に縛られた女騎士、王家の血契約を背負う王女。出会う女たちは皆、形の違う「首輪」に縛られていた。首輪は彼女たちの苦しみを餌に移ろうとするが、ミリアはそのたびに「欲しいものは本当に首輪なのか」と問い、誰にも渡さない。
 やがてミリアは、首輪を弱らせれば呪いは終わるが、首輪から生まれたネリスも消えてしまうと知る。ミリアを騙したネリスを許せないまま、それでも消えてほしくないと思うミリア。ガルナもまた、自分が被害者であることを理由にミリアを犠牲にした罪と向き合う。三人は、誰か一人を縛ることで世界の秩序を保ってきた契約の根源へ向かう。
 契約の魔女ユーレナは、ミリアに「選ばないことで全員を苦しめている」と迫り、最後には自ら犠牲になろうとする少女まで差し出す。しかし、これまでミリアが首輪を渡さなかった女たちが証人として現れ、犠牲なしでも人は自分の言葉を取り戻せると示す。首輪の心臓で、消えかけたネリスは「私を欲しいと言って」と願う。ミリアは「欲しくない。でも、消えてほしくない。私のものにならなくていい。首輪じゃなくていい。勝手についてくればいい」と答える。所有せず、犠牲にせず、見捨てもしないその言葉が呪いを崩し、首輪は外れる。
 ネリスは弱々しい白蛇として生き残り、ガルナも罪を抱えたまま二人と歩く。三人の旅は、もう次の犠牲者を探す旅ではない。世界に残る「誰か一人を縛る仕組み」を探し、ほどいていく旅へと変わる。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ