表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

毎朝夫が別人になりますので、私は私の朝を選びます。

最新エピソード掲載日:2026/07/09
必要とされることを、愛だと思っていた。

小伯爵家の令嬢リゼットは、神託により王弟セドリックへ嫁ぐ。

けれど王宮で待っていたのは、花嫁としての幸福ではなかった。

夫は夜明けごとに、別人のように変わる。

冷たい執政者、警戒する騎士、甘い詩人、幼い少年。

リゼットは毎朝、夫が誰なのかを見極める。

薬を選び、食事を変え、禁句を避ける。

面会の順を整え、祈りの言葉まで直す。

そのすべてを、黒革の記録帳に書き続ける。

王宮は、何も起きない朝を喜んだ。

けれど、その静けさの裏で、リゼットの名前は薄れていく。

妻だから耐えるべきだと、誰も疑わなかった。

毎朝別人になる夫を支える記録帳。

それがなければ、この結婚は一日も保たない。

だが、その帳面に書かれていない痛みを、誰が知るのか。

神託は、本当にリゼットへ耐えろと命じたのか。

必要とされることは、本当に愛なのか。

記録帳を閉じた彼女が、次に選ぶ朝は、誰のためのものなのか。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ