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黒殻

作者:みっち
最新エピソード掲載日:2026/10/15
ある朝、街に現れたのは、全身を黒い殻に覆われた人型の存在だった。

銃弾は通る。
炎でも死ぬ。
車で轢けば倒すこともできる。

人類はすぐに理解した。

――こいつらは、殺せる。

警察、自衛隊、そして逃げ惑う市民たちは、それぞれの方法で黒い怪物を排除し始める。

通信設備会社で働く真壁遼もまた、妻と幼い二人の子どものもとへ帰るため、崩れていく街を走り続けていた。

そんな中、遼は奇妙な行動に気づく。

黒い怪物は、なぜかアルミニウムに反応する。

一方、回収された死体を調べていた研究者・榊原真琴は、各地から集まる記録の中に、さらに不可解な現象を発見する。

そして最初の遭遇から、二十四時間後。

昨日まで通用していた攻撃が――通用しなくなった。

黒殻は、ただ進化しているのではない。

一体が経験した「死」を、すべての個体が共有している。

そして、その死因に適応するまでの時間は、およそ二十四時間。

人類が新しい方法で一体を殺すたび、
二十四時間後、その方法は通用しなくなる。

つまり――

人類は黒殻を殺すたびに、
自分たちの敵へ「殺されない方法」を教えていた。

これは、怪物を倒す物語ではない。

家族のもとへ帰ろうとする一人の男と、
勝つために敵を殺し続ける人類が、
その「勝利」の意味に気づくまでの物語。

最初の一日が終わる。

そして、人類が黒殻へ与えた最初の授業の答えが返ってくる。
二十四時間後に。
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