婚約破棄されて帰ったら、お母様まで「私も離婚するわ」と言い出しました ~母娘で開くお茶会に、お父様の席はありません~
最新エピソード掲載日:2026/11/01
「返品された娘は、お前が引き取れ」
婚約破棄されて帰った夜、お父様は玄関の広間でお母様にそう言った。お母様は私の手を握ったまま、自分の結婚指輪を抜いて、家令の銀盆に置いた。
「ええ。娘は引き取ります。指輪もお返しします。私も離婚するわ」
「待って、お母様。私を庇うために、離婚までしなくても!」
「あなたには幸せになってほしいのに、私が不幸な結婚を我慢していては、説得力がないでしょう?」
伯爵家の茶会が王都で評判だったのは、母が客の好みを一人残らず覚えて茶を選び、私が客の目の高さに花を活けていたからだ。お父様はそれを全部、「我が家の茶会」と呼んできた。
その夜、十九の私と四十二のお母様は、お祖母様が遺した王都の外れの小さな家へ移った。門の外まで追ってきたお父様に、私は言った。
「お父様。お客様としてなら、予約をお願いします」
開くのは、予約のお客様だけの小さなお茶会。最初の予約をくれたのは、窓の花の前で足を止めた、渡し場の宿の若い主人だった。
「この花、背の低い子にも見えるように飾ったんですね」
母の新しい人生と、私の初めての恋を、今度こそ二人の名前で。
婚約破棄されて帰った夜、お父様は玄関の広間でお母様にそう言った。お母様は私の手を握ったまま、自分の結婚指輪を抜いて、家令の銀盆に置いた。
「ええ。娘は引き取ります。指輪もお返しします。私も離婚するわ」
「待って、お母様。私を庇うために、離婚までしなくても!」
「あなたには幸せになってほしいのに、私が不幸な結婚を我慢していては、説得力がないでしょう?」
伯爵家の茶会が王都で評判だったのは、母が客の好みを一人残らず覚えて茶を選び、私が客の目の高さに花を活けていたからだ。お父様はそれを全部、「我が家の茶会」と呼んできた。
その夜、十九の私と四十二のお母様は、お祖母様が遺した王都の外れの小さな家へ移った。門の外まで追ってきたお父様に、私は言った。
「お父様。お客様としてなら、予約をお願いします」
開くのは、予約のお客様だけの小さなお茶会。最初の予約をくれたのは、窓の花の前で足を止めた、渡し場の宿の若い主人だった。
「この花、背の低い子にも見えるように飾ったんですね」
母の新しい人生と、私の初めての恋を、今度こそ二人の名前で。
1. 私も離婚するわ
2026/10/26 00:11
2. 背の低い子にも見えるように
2026/10/26 09:38
3. 活け手の名前
2026/10/27 07:30
4. あなたは、どう思います?
2026/10/27 12:10
5. 二年前のお茶
2026/10/27 17:30
6. 我が家の別館
2026/10/28 10:15
7. 侯爵家の宴
2026/10/29 09:31
8. 十人の卓
2026/10/30 11:48
9. 試し
2026/10/31 10:40
10. 二人の名前
2026/11/01 22:04