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もう夫婦ごっこは終わりにしましょう?

最終エピソード掲載日:2026/04/29
三年間、夫と目を合わせたことがない。
政略結婚で公爵家に嫁いだロザリンドの日常は、一人きりの食卓だった。
夫は「氷の公爵」と呼ばれ、妻の名前を一度も呼ばない。

会話は月に数回の事務連絡のみ。
白紙婚の三年を耐え、ロザリンドは自ら離縁届を差し出した。

署名する夫の手が震えていた。
ペンを三度落とす姿を、彼女は怒りだと受け取った。
実家にも戻れず、港町で翻訳業を始める。
母の遺品の辞書ひとつを頼りに、自分の名前で生きていく日々。

小さな工房に届く依頼が、少しずつ増えていく。
ある日届いた元夫からの依頼は、恋文の翻訳だった。
古い聖典の言語で綴られた、誰かへの恋文。
宛先の人物は「本を読む時に小首を傾げる」らしい。
それは、ロザリンド自身の癖だった。

なぜあの男は、古い言語でしか想いを書けないのか。
なぜ元妻に、自分の恋文を翻訳させるのか。
恋文の届け先が誰なのか、翻訳者だけがまだ気づいていない。
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