万華の月
最新エピソード掲載日:2026/07/04
かつて大陸全土を支配していた宗主国・皓。
花も金も鳥さえも平伏した彼の国は、従属国をひとつ、またひとつと独立させた。
それから幾百年が過ぎ去り、皓国はかつての従属国であった「蒼」によって滅ぼされることとなる。
皓国が滅んでから十年後──万華国で繍女として働く素月は、滅ぼされてしまった皓国の公主という秘密をひた隠しにしながら、異母兄と共に「娶らず嫁がず」を誓い、静かに暮らしていた。
もう争い事には関わりたくはない。一族の血も残す気はない。望むのは平穏な暮らしだけ。
だが素月の瞳には、星が煌めく。
皓国の代々の皇帝が瞳に宿していたという星を、素月は持って生まれてしまったのだ。
星が輝けば、月が煌めく。
月が煌めけば、白龍が舞う。
白龍が舞えば、天帝の子が生まれ落ちる。
そんな馬鹿げた伝承を、素月は信じたりなどしていない──けれど、懸念はある。
これが平穏を脅かす「災星」になってしまうのではないか、と。
素月が望むのは、平穏な暮らしだけ。
ただそれだけを、心から願っている。
それだけなのだ。
※毎週土曜日7:00投稿予定
※7月は毎週土曜日投稿
花も金も鳥さえも平伏した彼の国は、従属国をひとつ、またひとつと独立させた。
それから幾百年が過ぎ去り、皓国はかつての従属国であった「蒼」によって滅ぼされることとなる。
皓国が滅んでから十年後──万華国で繍女として働く素月は、滅ぼされてしまった皓国の公主という秘密をひた隠しにしながら、異母兄と共に「娶らず嫁がず」を誓い、静かに暮らしていた。
もう争い事には関わりたくはない。一族の血も残す気はない。望むのは平穏な暮らしだけ。
だが素月の瞳には、星が煌めく。
皓国の代々の皇帝が瞳に宿していたという星を、素月は持って生まれてしまったのだ。
星が輝けば、月が煌めく。
月が煌めけば、白龍が舞う。
白龍が舞えば、天帝の子が生まれ落ちる。
そんな馬鹿げた伝承を、素月は信じたりなどしていない──けれど、懸念はある。
これが平穏を脅かす「災星」になってしまうのではないか、と。
素月が望むのは、平穏な暮らしだけ。
ただそれだけを、心から願っている。
それだけなのだ。
※毎週土曜日7:00投稿予定
※7月は毎週土曜日投稿
1 素月という名の繍女
2025/11/12 22:00
(改)
2 野心ある母の思惑と、わがまま娘の本音
2025/11/13 22:00
(改)
3 一番弟子が抱く懸念
2025/11/14 22:00
(改)
4 胡蝶が導くひとつの出会い
2025/11/15 22:00
(改)
5 迷い子は小さな嘘をつく
2025/11/16 22:00
(改)
6 さんざしが繋ぐか細い縁
2025/11/17 22:00
(改)
7 従兄と従弟、あるいは斉王と皇太子
2025/11/18 22:00
(改)
8 兄と妹、あるいは皇子と公主
2025/11/19 22:00
(改)
9 望まぬ名誉の行末
2025/11/22 07:00
(改)
10 斉王か大理寺少卿か
2025/11/29 07:00
11 斉王・徐慧
2025/12/06 07:00
12 それぞれの幸せの形
2025/12/13 07:00
13 隙のない娘
2025/12/20 07:00
14 国公の息子
2025/12/27 07:00
15 「素月」という顔
2026/01/03 07:00
(改)
16 招かれざる客
2026/01/10 07:00
17 斉王の来店
2026/01/17 07:00
18 桓遠の正体
2026/01/24 07:00
(改)
19 斉王の吉服
2026/01/31 07:00
20 意地悪な親友
2026/03/07 07:00
(改)
21 再びの大理寺
2026/05/16 07:00
22 羅元華という名の令嬢
2026/05/24 07:00
23 ただの繍女と哀れな令嬢
2026/05/30 07:00
24 がらくたの中の覗き穴
2026/06/06 07:00
25 互いを思い浮かべる夜
2026/06/07 07:00
(改)
26 止まった赤と進む青
2026/06/13 07:00
27 真夜中のおしゃべり
2026/06/20 07:00
28 秋晴れの園遊会、焦燥の皇后
2026/06/21 07:00
29 青い麒麟と赤い牡丹
2026/06/27 07:00
30 舞い込む褒美と大仕事
2026/07/04 07:00