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『奇跡はもう来ていた』

作者:かおるこ
最終エピソード掲載日:2026/06/01
人は空を見上げる。

天が裂けるのを待つ。

雷鳴を待つ。

大雨を待つ。

誰もが思う。

奇跡とは、

自分の願った形で来るものだと。

だが神は、

種を送る。

知恵を送る。

助言を送る。

一人の旅人を送る。

一人の羊飼いを送る。

そして静かに問い掛ける。

「耳はあるか」

と。

私たちは祈る。

そして答えを待つ。

けれど時々、

答えはもう届いている。

ただ、

自分の期待した包み紙に入っていないだけなのだ。

奇跡とは、

天から降る雨だけではない。

聞く耳を持つこと。

学ぶ心を持つこと。

高慢を手放すこと。

それもまた奇跡である。

神は沈黙していたのではない。

私たちが、

別の方向を見ていただけだった。

だから今日も私は祈る。

「私の願いではなく、

あなたの答えに気付ける人になりますように」

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