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限界集落の終活、配信します。

作者:ふふ太郎
最新エピソード掲載日:2026/09/26
 釜野地区の人口は、父が死ぬまで27人だった。
 父が死んで、26人になった。

 東京で妻と娘と暮らす会社員、佐久間直人、38歳。
 父の葬儀で戻った故郷に残されていたのは、古い家と、売れるかどうかも分からない田畑や山だった。

 長男だから、守らなければならない。
 そう思っていた直人に、父が残した映像は告げる。

「この村を、残そうとするな」

 父のパソコンには、28本の映像があった。
 映っていたのは、子どものころから知っている村の人たち。

 山できのこを採るキヨばあ。
 友人の声をもう一度聞きたい老人。
 母校の取り壊しを受け入れた、最後の卒業生。

 映像を届けに訪ねるうちに、直人は知っていく。
 残したいという気持ちだけでは、残せないものがあることを。

 それでも、なくなる前にできることはないだろうか。

 消えていく故郷と、そこに暮らす人たちを描く物語。
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