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ヤタガラスー戦場は見積書の上ー

最終エピソード掲載日:2026/10/04
民間軍事会社――PMC。

海外では巨大企業がしのぎを削るその業界で、日本市場の片隅をなんとか生き延びてきた中堅企業《ヤタガラス》。

要人警護、危機管理、特殊警備、海外案件。
決して大企業ではない。
設備も資金も人員も潤沢ではない。

それでも、日本では数少ないPMCとして、現場力と小回りを武器にどうにか会社を回してきた。

そんなある日。

世界有数の巨大民間軍事会社、
《GRIMNIR SECURITY INTERNATIONAL》
が日本市場への本格参入を発表する。

資本力。
人材。
航空機。
海外拠点。
信用力。
営業力。

何もかも桁違い。

しかも相手は悪徳企業でもなければ、卑怯な手を使うわけでもない。

普通に優秀で、
普通に効率がよく、
普通に強い。

その結果、ヤタガラスの仕事が次々と競合することになる。

入札。
価格競争。
銀行融資。
保険。
人材獲得。
設備投資。
ロビー活動。
為替。
企業買収。

戦場で銃を撃つより難しい、
「会社を潰さずに戦う」という新たな戦争。

価格を下げれば赤字。
仕事を取れば資金不足。
社員は大手に引き抜かれる。
制度が変われば入札資格すら危うい。

ホオズキたちは初めて知る。

会社というものは、
敵に撃たれなくても普通に死ぬ。

世界的大企業グリムニルに対し、
中堅企業ヤタガラスが頼れるものは、現場経験と知恵と工夫、そして妙にしぶとい社員たちだけ。

銃撃戦ほぼなし。

その代わり、
見積書と請求書とキャッシュフローが飛び交う。

これは、

「強い奴が勝つ」のではなく、

「潰れなかった会社が勝つ」

PMCたちの、
ドタバタ資本主義・経営戦争コメディ。

――戦場は、見積書の上にある。
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