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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

六道香殺人事件 

作者:宿院
最新エピソード掲載日:2026/11/06
「香りで真実が分かる」――そう信じた代償は、あまりにも大きかった。

警視庁捜査一課の早乙女灯里は、鋭い嗅覚と圧倒的な鑑識眼で数々の事件を解決してきた優秀な刑事だ。しかし、彼女のキャリアには拭えない黒歴史がある。八年前、仏教の儀式で使われる「六道香」の匂いを根拠に、寺の住職殺害犯として一人の青年を追い詰め、有罪に導いたことだ。 だが、その判決はのちに冤罪であることが発覚する。青年はすべてを奪われ、灯里もまた、「正しかったはずの自分の嗅覚」という呪いに縛られ続けていた。

物語が動き出すのは、再開発が進む東京の街で起きた奇妙な密室殺人事件。 現場に残されていたのは、かつての事件と同じ「六道香」の香りだった。そして被害者は、八年前の裁判で「あの男が寺にいた」と嘘の証言をした財界人。 現場には、死んだはずの妹の筆跡で書かれた「最初の業は、貪」という不気味なメッセージが残されていた。

「もしかして、あの時、私は間違えていたのではないか?」 過去の冤罪の影に引きずり出されるように、灯里の前に、無罪となって帰ってきたあの青年が再び現れる。 次々と起きる模倣か復讐か分からない連続殺人。警察組織の隠蔽、仕組まれた罠、そして明かされていく関係者たちの醜い秘密。

香りが暴くのは真実か、それとも新たな狂気か。 かつて「疑うこと」を怠り、無実の人間を罪人に仕立て上げてしまった女刑事は、今度こそすべての嘘と向き合うため、決して疑うことをやめない捜査に身を投じる――。

香りと記憶が織りなす、心理サスペンス・ミステリー開幕。
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