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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。
この連載作品は未完結のまま約4年以上の間、更新されていません。
今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです。予めご了承下さい。

暇をもてあましたお嬢様は怪盗家業に勤しむ

作者:冴月アキラ
「……これは、傑作だ」

 ラヴェンダーの投げ込んだ煙幕はほとんどその役を果たさなくなり、その残りが薄く絨毯の上を這うだけになった頃、男がぽつりと呟いた。

「まさかこんなところで再会するとは……思ったよりずいぶん早かったものだな」

 クツクツと喉を鳴らす男に、ラヴェンダーは喉を震わせた。

 落ち着きがあり、自信に満ちた声。暗く、影が差しているが、その分妖艶さも帯びている眼差し。
 ナイフのように鋭利な空気を纏いながらどこまでも蠱惑的な男の顔が目の前にあった。

 ひねり上げられた右腕と共に引き寄せられた彼女の細い腰は大きくのけぞり、それに覆い被さるように彼女の眼差しを覗き込んで来る男は、どこまでも優雅だった。端から見れば、二人はまるでダンスを踊っているようにも見えただろう。

 けれどその実、男は圧倒的な力で彼女を押さえ込んでおり、泰然とした笑みを吐きながらの低い囁きは半ば恫喝だった。

「お前は、誰だ?」
「……答える義務はないわね」

 震えそうになる自身を叱咤し、大きく胸を上下させてから返したその言葉。
 それが、二人の”再会”だった——


 アメリカのスラムの孤児院で育ったらラヴェンダーは、ヨーロッパの名家に引き取られながらも、その生活になじめずにいた。
 性に合わない上品で退屈なお嬢様生活に飽き飽きしていた彼女に持ちかけられたのは、第二次世界大戦中に失われてしまったシューヴァンシュタイン家の美術品収集のための怪盗家業。
 ブレインにしてリーダーのシューヴァンシュタイン家後継者のエリーゼと、その分家筋でハッキング担当のフェリスとともに、狙った獲物は決して逃さず、神出鬼没に盗み出す彼女は、予告状に描かれた黒猫のイラストに関連づけて、怪盗”黒猫(シュヴァルツ=カッツェ)”と呼ばれていた。

その怪盗黒猫が初めて対決した、”同業者”は、彼女が盗み出そうとしていた美術品だけでなく、もう一つ、大切なモノも奪っていって——

 暇をもてあましたお嬢様の華麗な”怪盗黒猫”としての生活が幕を開ける。
第〇章:プロローグ
プロローグ
2020/10/06 00:10
第一章:守護者のマリア奪還作戦
ミッション・スタート
2020/11/10 00:28
第二章:≪ヘスペリス≫への挑戦状と闇の中の再会
二人の特別な人
2020/11/21 10:00
第三章:シューヴァンシュタイン家の秘密
灰色の襲撃者
2021/01/05 09:00
第四章:再会を祝した飲み会とそれぞれの思惑
第五章:≪扉≫の先に広がる異世界
影の追跡者達
2021/01/21 16:00
終章:神話兵器を奪う者と守護する者
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