↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

「行き場のない娘だ、置いてやってくれ」と夫が愛人を連れ帰りましたので、正式に雇い入れて一人前の侍女に育てます【連載版】

作者:Dee
最新エピソード掲載日:2026/09/04
「行き場のない娘だ、置いてやってくれ。……いや、君の侍女として、だ。君なら分かってくれると思った」

侯爵ヴィルフリートは、そう言って若い娘を屋敷へ連れ帰った。
嫁いで七年、鍵束と給金台帳を預かってきた侯爵夫人リュディアは、微笑んで頷いた。

「承知しました。では、正式に雇い入れます」

雇用の証文。十日ごとの給金。仕着せ。起床の刻と、休みの日。
そして、この家の則――〈使用人は、主の寝間へ入らぬ〉。

三日で、娘のハンナは本当に侍女になった。夜、夫が呼んでも「申し訳ありません、お仕事中ですので」と断る侍女に。
生まれて初めて自分の名で呼ばれ、自分で稼いだ金を手にしたハンナは、やがて自分の意志で、女主人にひとつ告げる。旦那様が隠している書き付けの在り処を。

夫は気づいていない。使用人は正妻になれないこと。主が使用人に手を出せば、家名の恥として離縁の事由になること。
そしてこの屋敷が七年前、妻の持参金で買い戻されたものであること。

「出て行くのは、あなたですわ」

置いてやってくれ、と言ったのは、彼のほうである。

「ええ、あの子はよく働きます。――あなたよりも、ずっと」
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。