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パーフェクト人間ユウジ

最新エピソード掲載日:2026/08/10
ユウジはアホだった。
本当にアホだった。
優しいアホだった。

児童養護施設・若葉園で育った十八歳のユウジは、園を出るその日、武装犯から園長先生をかばって命を落とした。

死後、号泣する神様から願いを尋ねられ、ユウジは答える。

「何でもできて、誰でも助けられるパーフェクト人間になりたいです」

生まれ変わりたい場所も、ひとつしかなかった。

「もう一度、若葉園の前に置いてください。あそこが、俺んちだから」

四十九日後。

若葉園の玄関前に、「ユウジ」と書かれた名札を付けた赤ん坊が置かれる。

それから八年。

世界最高の頭脳。
超人的な身体能力。
見たものを何でも身につける才能。

今度のユウジは、本当に何でもできた。

それなのに、相変わらずアホだった。

困っている人を見つければ、頼まれてもいないのに助ける。

壊れた物は、みんなが寝てから直す。

誰かが困るくらいなら、自分が全部引き受ければいいと思っている。

そんなユウジの異常さに、若葉園へやってきた九歳の少女チナツが気づく。

「あんた、誰でも助けるくせに、自分が助けてもらうことだけは考えないんだね」

やがて、若葉園での暮らしを揺るがす問題が持ち上がる。

何でもできるユウジは、当然のように一人ですべてを解決しようとする。

けれど、パーフェクトな彼にも、どうしてもできないことがあった。

誰かに「助けて」と言うことだった。

これは、何でもできる優しいアホが、誰かと一緒に生きる方法を覚えていく物語。
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