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誰にも届かなかった僕の声が、君にだけ響いた。

作者:ひとひら
声なんて、もういらないと思ってた。
でも君は、僕の声を「綺麗だ」って言った。

声を失くした少年と、
その声に「救われた」と言った年上の彼女。

誰にも届かなかった僕の声が、
初めて誰かの胸に触れたとき――
それは、生きることをあきらめかけた僕にとって、
たったひとつの光だった。

もう、傷つけたくなかった。
でも、君の優しさが、僕を壊してしまいそうで――
それでも僕は、声を届けたかった。

消えたかった夜から始まる、
声と再生の、儚くてせつない恋の物語。
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