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たばこの煙は、宇宙人の健康に悪影響を及ぼします。

作者:コウ
最新エピソード掲載日:2026/10/31
 とうとうタバコの販売が法律で禁じられてしまった、少し先の日本。
 都内のいわゆるFラン大学で留年をぶちかました主人公、干田拝也(ほしだはいや)。実家から仕送りを打ち切られるも中退はせず、かといって将来への展望もなく、ただ授業と金策に明け暮れる日々を送っていた。

「急げ、急げっ…!」

 居酒屋でのバイトを終えた帰り道。周囲に人がいないことを確認した拝也は、急ぎ自宅近くの公園に入っていく。遊具の影に身を潜め、懐から取り出したのは…紙巻きタバコが一本だけ収められた専用ケースと、ライター。
 重度の愛煙家である拝也は、吸える場所がほとんど無くなった今でも、なけなしの金を注ぎ込んで買い貯めていたタバコだけを心の拠り所にしていた。
 至福の表情で紫煙を吐き出す拝也だったが、そのとき異変が起きた。突如公園に響く鈍い音。荒い息遣い。そして現れる、遊具の向こうで争う二つの異形。
 それは、大きな黒い目を持つ灰色の小人と、人型の爬虫類。宇宙人…グレイとレプティリアンだった。
自身の目と正気を疑う拝也。しかし冗談にしか見えないその風景は紛れもなく現実であり、そして驚いたのは宇宙人たちも同様だった。
 身を翻し夜の闇に消えていったレプティリアンだが、残ったグレイは拝也に声をかけてくる。

「貴様、ソレを吸えるのだ?」

語尾が妙だが、日本語。しかも若い女の声。ますます混乱する拝也の前で、グレイはおもむろに自らの皮を剥ぐ。果たしてその下から現れたのは…人間、いや、人間離れした美女だった。

「手伝うのだ地球人。この星の危機なのだ」

こうして、モラトリアムヤニカス男とグレイ女による冒険活劇の幕が、紫煙とともに上がったのである。
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