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はじまりの聖女 〜芽しか出せないと追放されましたが、不毛の辺境では私の力こそ奇跡でした〜

最終エピソード掲載日:2026/08/21
 聖女候補の双子の姉セレイスは、いつも妹ミレイアの前座だった。
 セレイスが芽を出し、ミレイアが花を咲かせる。
 セレイスが水の一滴を呼び、ミレイアが泉へ広げる。
 人々は、完成された奇跡を起こす妹だけを見ていた。
 十六歳の認定式で、妹ミレイアは真の聖女と認められる。
 一方、姉セレイスは王太子から婚約を破棄され、父からも家を出るよう命じられる。
 行き先は、不毛の地ノーヴェラント辺境領。

「芽しか出せない力でも、あの土地なら多少は役に立つかもしれない」

 そうして捨てられたセレイスは、辺境の枯れた畑で小さな芽を生む。
 王都では軽んじられた、ただの芽。
 けれど、何年も芽が出なかった辺境では、それこそが奇跡だった。

「芽が出たなら、この土はもう死んでねえ」
「芽が出たあとのことは、俺たちがやればいい」

 セレイスは初めて、自分の力が無意味ではなかったと知る。
 一方、姉を失った王都では、最初の芽を生めない聖女ミレイアの限界が現れ始める。
 芽しか出せないと捨てられた姉。
 けれど王都が失ったのは、すべての始まりを生む聖女だった。
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