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『婚約破棄ですね。では、あなたの家の魔力供給を停止します』

作者:かおるこ
最終エピソード掲載日:2026/05/25
魔力灯が落ちた夜、
あなたはようやく知ったのでしょう。

この屋敷を照らしていたのが、
私だったことを。

誇らしげに掲げていた爵位も、
磨き上げた銀食器も、
貴族たちの笑顔も。

すべて、
契約という細い糸で吊られていた。

そしてその糸を、
ずっと握っていたのは――
私。

「愛があれば十分だ」と、
あなたは笑った。

ええ。
ならばどうぞ。

愛だけで、
凍えた朝を越えてください。

止まった転移門を開いてください。
空になった金庫を満たしてください。
崩れ落ちる商会を支えてください。

私はもう、
あなたの赤字を補填しません。

だって契約は終わったのです。

終わった契約に、
未練という科目は存在しない。

だから私は前を向く。

新しい帳簿を開き、
新しい未来へ署名する。

あなたの名前は、
もうどこにも記載されていない。

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