- あらすじ
- 君は言った。
「愛することはない」と。
その声は冬だった。
凍てついた湖のように、
誰も寄せつけぬ孤独の色をしていた。
けれど私は知っていたのです。
本当に冷たい人は、
そんな苦しそうな目をしないことを。
だから私は、
あなたを愛しました。
捨てられた野菜を煮込み、
割れた器にスープを注ぎ、
誰にも見つからぬよう、
小さな灯りを守るように。
あなたはそれを拒みました。
床に散った温かな雫は、
まるで私の心みたいで。
それでも――
悲しくはありませんでした。
だって私は願っていたのです。
いつかあなたが、
「美味しい」と笑える日を。
誰かと食卓を囲む幸せを。
春の匂いを。
焼きたてのパンの温もりを。
誰かを愛して、
愛される喜びを。
あなたに知ってほしかった。
だから私の“ざまぁ”は、
傷つけることではありません。
奪うことでも、
泣かせることでもない。
幸せを知らなかったあなたが、
ようやく幸福を見つけたその瞬間――
どれほど自分が愚かだったのか、
涙を流してしまうこと。
それが、
私の望んだ“ざまぁ”。
そして今日もあなたは、
湯気の向こうで微笑むのです。
「美味しい」
たったその一言が、
この世界のどんな宝石より、
私を幸せにするのです。
- Nコード
- N0494MF
- 作者名
- かおるこ
- キーワード
- キーワードが設定されていません
- ジャンル
- 異世界〔恋愛〕
- 掲載日
- 2026年 05月17日 02時28分
- 最終掲載日
- 2026年 05月17日 05時06分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 8件
- 総合評価
- 52pt
- 評価ポイント
- 36pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 27,181文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『君を愛することはない、と言われても私はあなたを愛します』 〜わたしのざまぁは、あなたに幸せを感じる心を育てること〜
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N1405MF|
作品情報|
連載(全4エピソード)
|
ローファンタジー〔ファンタジー〕
### 『バッドエンド確定の荒廃ギルドに事務員として転生したので、まずは『書類の進捗管理』から始めます 〜激情型冒険者たちの喧嘩を1秒で静め、感情の泥沼から組織を救い出す最強の一般人〜』
血のついた剣が
受付台に投げら//
N1341MF|
作品情報|
連載(全2エピソード)
|
その他〔その他〕
作品管理とトレンド分析
N8167ME|
作品情報|
連載(全5エピソード)
|
純文学〔文芸〕
季節の織り糸
春は
まだ冷たい風の中に
ひとすじの若葉色を織り込んでいく
名も知らぬ花が
道ばたで小さく笑うたび
眠っていた心の糸がほどける
夏は
陽だまりの匂いを抱えながら
青空へ白い雲を縫いつける
蝉の声は激//
N1090MF|
作品情報|
完結済(全11エピソード)
|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
実家なら
五万円ですむのに
炊きたてのご飯も
勝手に補充される麦茶も
なにも言わなくても置かれる絆創膏も
ぜんぶ込みで
五万円ですむのに
なのに私は
役所に紙を出して
別々の住所のまま
同じ名字になった
おはよ//
N0814MF|
作品情報|
完結済(全11エピソード)
|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
夜の帳簿に、
静かに灯る電卓の光。
男は数字を愛していた。
いや――
数字しか、信じていなかった。
人は裏切る。
善意は赤字になる。
優しさは、いつか食い潰される。
そうやって、
幾つもの会社を解体し、
幾つもの笑//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。