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季節の織り糸

あらすじ
季節の織り糸

春は
まだ冷たい風の中に
ひとすじの若葉色を織り込んでいく

名も知らぬ花が
道ばたで小さく笑うたび
眠っていた心の糸がほどける

夏は
陽だまりの匂いを抱えながら
青空へ白い雲を縫いつける

蝉の声は激しくても
夕暮れには
誰かを想う静けさが残る

秋は
金色の光を指先にまとい
落葉を一枚ずつ時間へ返していく

遠ざかる鳥の影に
言えなかった言葉まで揺れて
胸の奥で淡く熟していく

冬は
透明な夜を深く編みながら
吐く息を星に変える

凍えた手を重ねれば
ぬくもりだけが
次の春へ続く糸になる

そして季節は
見えない機(はた)の音を響かせ
今日という布を
静かに織り続けている
Nコード
N8167ME
作者名
かおるこ
キーワード
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ジャンル
純文学〔文芸〕
掲載日
2026年 05月15日 02時03分
最新掲載日
2026年 05月17日 19時34分
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文字数
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