追放会議、書記を任されました ――役立たずの根拠を、一件ずつお願いします
最終エピソード掲載日:2026/10/25
「こいつを追放する」
会議が始まって三十秒で、結論が出た。
エナ・フェルクの手元の議事録には、まだ日付しか書かれていない。インクが乾くより先に議題が片づくのは、書記になって半年で初めてのことだった。
壁の時計は十六時十八分を指している。
四半期末の即日所属変更は十七時で締め切られるから、残りは四十二分。
昼過ぎに課長から、揉めそうなのが一件あるから時間を見てやってくれ、と回されたときは、今日はもう帰れないものと半分諦めていた。
追放会議というのは、たいてい長い。
まず誰かが怒鳴り、誰かが言い返し、話は今回の件から去年の分け前へ、去年の分け前から誰が誰の背中を何回守ったかへと、どんどん遡っていく。その場で決着しない種類の話ほど、人はなぜか熱心にやりたがる。
第三会議室の椅子が先月一脚減ったのも、たぶんそういう会議のせいだ。理由は聞いていないし、聞きたくもない。
ところが今日は、申請者が最初から結論を持ってきていた。
「異議はありますか」
会議が始まって三十秒で、結論が出た。
エナ・フェルクの手元の議事録には、まだ日付しか書かれていない。インクが乾くより先に議題が片づくのは、書記になって半年で初めてのことだった。
壁の時計は十六時十八分を指している。
四半期末の即日所属変更は十七時で締め切られるから、残りは四十二分。
昼過ぎに課長から、揉めそうなのが一件あるから時間を見てやってくれ、と回されたときは、今日はもう帰れないものと半分諦めていた。
追放会議というのは、たいてい長い。
まず誰かが怒鳴り、誰かが言い返し、話は今回の件から去年の分け前へ、去年の分け前から誰が誰の背中を何回守ったかへと、どんどん遡っていく。その場で決着しない種類の話ほど、人はなぜか熱心にやりたがる。
第三会議室の椅子が先月一脚減ったのも、たぶんそういう会議のせいだ。理由は聞いていないし、聞きたくもない。
ところが今日は、申請者が最初から結論を持ってきていた。
「異議はありますか」
第一話 追放理由は、役立たずです
2026/10/25 21:46
第二話 火力がありません
2026/10/25 21:47
第三話 撤退ばかり言います
2026/10/25 21:49
第四話 指示が細かすぎます
2026/10/25 21:51
第五話 数えていない欄
2026/10/25 21:57
第六話 それでも、辞めます
2026/10/25 22:00
第七話 役立たずとは
2026/10/25 22:02
第八話 次の町まで
2026/10/25 22:03