攻略しません、定食あります ~ハズレスキル【保存】と笑われた元S級、ダンジョン十九階で飯屋を始めたら攻略最前線の聖地になっていた~
最新エピソード掲載日:2026/09/24
新宿迷宮、十九階層。
二十階層の「門番」に八年間誰も勝てないせいで、ここは探索者たちにとって
「引き返す手前の、最後の休憩所」になっている。
その片隅に、なぜか定食屋がある。
店主の名は黒木定。三十歳。口数が少なく、愛想もなく、攻略の助言もしない。
ただ、腹を空かせて降りてきた探索者に、黙って飯を出すだけ。
十五の発現式で授かったスキルは【保存】。
「物をしまっておけるだけ」と笑われ、S級パーティーにいた頃も「荷物持ち」と
呼ばれ続けた、正真正銘のハズレスキル――のはずだった。
食材が腐らない。出汁の味が落ちない。だから飯屋には都合がいい。
本人はそう思っている。本当に、それだけだと思っている。
けれど、この店の飯を食った人間は、なぜか見てしまう。
その食材が生きていた場所の景色を。まだ誰も辿り着けていない、深い場所の景色を。
――八年ぶりに、二十階層の味がした。
いらっしゃい。攻略はしませんが、定食はあります。
二十階層の「門番」に八年間誰も勝てないせいで、ここは探索者たちにとって
「引き返す手前の、最後の休憩所」になっている。
その片隅に、なぜか定食屋がある。
店主の名は黒木定。三十歳。口数が少なく、愛想もなく、攻略の助言もしない。
ただ、腹を空かせて降りてきた探索者に、黙って飯を出すだけ。
十五の発現式で授かったスキルは【保存】。
「物をしまっておけるだけ」と笑われ、S級パーティーにいた頃も「荷物持ち」と
呼ばれ続けた、正真正銘のハズレスキル――のはずだった。
食材が腐らない。出汁の味が落ちない。だから飯屋には都合がいい。
本人はそう思っている。本当に、それだけだと思っている。
けれど、この店の飯を食った人間は、なぜか見てしまう。
その食材が生きていた場所の景色を。まだ誰も辿り着けていない、深い場所の景色を。
――八年ぶりに、二十階層の味がした。
いらっしゃい。攻略はしませんが、定食はあります。
第1話 八年ぶりに、二十階層の味がした
2026/09/21 05:03
第2話 週三で来るA級が、飯を食わない日
2026/09/21 10:00
第3話 景色が見える飯をください
2026/09/22 10:00
第4話 勝手にうちを映した配信者が、炎上して謝りに来た
2026/09/23 10:00
第5話 【幕間】誰も入らない店の、最初の客
2026/09/24 10:00