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【ノクターンと千の歌】

作者:july❀
―平日の真っ昼間の公園で、 缶ビール飲みながら泣いてる喪服姿の男なんて、 端から見たら、よっぽど変態に見えるだろうな。―

「佐伯くんの顔って、“豆柴”に似てるよね!?」
「くぅ~ん。」

―俺らも30になっちゃったねー。―
12年前の今日、翔平の高校時代の大好きな【彼女】は自分の宿命に絶望し、母が歌ってくれた子守唄を絞り出すように口ずさみながら、激しく破滅的に18歳のあまりにも青い人生という独奏会の幕を自ら下ろしてしまった。
翔平は、如月に亡くなった彼女の命日には必ず魂の供養に会いに来る。

“その命を大切に生きてかなきゃね”
この言葉を何度聴いたことだろう。

“大切な人が守ってくれた命を大切にして生きる”
俺、何を聴いてたんだろ。何ひとつ学べてなかったんだな。

―会いたいよ。…痛いくらい。―
心に悲しみが突き刺さるのは、"失くしたこと"を本当はわかってきてしまっているから。

翔平とつきあって3ヶ月になる和花。
ある日、翔平の【忘れられない彼女】の命日に休みをとっていた翔平が先に帰宅していたことに驚く。会社を休むことを知らされていなかった。信用されていないのではと不安になる。
ソファにうつ伏せで死体のように眠っている翔平。彼の耳にはイヤホンがささっている。ただ何を聴いているのかと興味で自分の左耳にあててみた。「ノクターン第2番」がかかっていた。
―ズキッ―と胸の痛み。
「本当に私のこと好きなの?」 「【忘れられない彼女】のように私のこと想ってくれてる?」
―これからもずっとこんな不安なままでいられないよ―
【彼女】の存在を聞いていた。理解してるつもりなのに、「いない存在」に対しての嫉妬と不安を抱えながらも、そのことに触れられずに日々を過ごしていたけど、和花は、翔平に本当の気持ちを確かめる決意をした。

そして翔平も自分の中で真っ黒に塗りつぶして見ないふりをしてきた【彼女】の死の真相を和花に打ち明ける決心をした。

亡くなった彼女のことを「忘れられない」と宣言された奇妙な三角関係。想いはこんがらがる。
大切な人を想うと涙は止まらない。だけど、話さなければいけないことがある。
真実を知った時、翔平と和花は新たな痛みを共有する。大切な人が守ってくれた命を大切にして、大切な人とこれからも生きていくために。
【ノクターンと変態男】
2021/09/10 00:00
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