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一番やっかいなのって、結局ADHDお化けなんだよね

最新エピソード掲載日:2026/11/03
霊は地球の自転で宇宙へ置き去りにできる。——あいつ以外は。

薄暗い本堂で仏像の頭を丹念に磨き上げる女。
神社の裏山で沈黙する猫の群れと、「あ、そうだ」と言い残して消える影。
深夜の国道のハイビームに歓喜して跳ねるナニカ。
全階のボタンを押されたエレベーター、テレビの電波に乗って目を覚ました山の神様、そして真夜中のオフィスで鳴り響く無数のハンコの音——。

現場で起きるのは、背筋が凍りつく正真正銘のホラー。
なのに、あいつが通り過ぎた後には、なぜか誰かが救われてしまう不条理なハッピーエンドが転がっている。

「あんたがずっとおる思てるその場所な、一秒前のとこと、もう全然ちゃうとこやねんで」

霊は本来、特定の場所や物に執着して留まるものらしい。
だから大阪の除霊師・辻は、「地球の自転と公転」という地平座標系の真理を図解で懇々と説き、霊を宇宙の彼方へ置き去りにして消滅(?)させる。

だが、そんな絶対の理屈が通じない怪異が現れた。
執着がない。怨念もない。媒体すら持たず、ただ無軌道に興味を移してはふらっと姿を消す。
——あいつは結局、ADHDのお化けなんだよ。

人探しのプロとして巻き込まれた、しがない私立探偵の「俺」。
「被害者は確かにいるわけ! 何をそんなに浮かれてるんだか!」
悪意か好奇心かすら定かじゃない“あいつ”と、理系除霊師と、理不尽に振り回される探偵の、新感覚オカルト事件簿。

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【本作について】
・1事件=数話で読める連作オカルトミステリーです。
・直接的なゴア・残酷描写はありませんが、現場の怪異描写は本格ホラー仕様となっております。

【登場人物】
・俺:浮気調査やペット探しで食いつなぐ冴えない私立探偵。霊感ゼロ。偏見と愚痴の多いオッサンだが、根はお人好し。
・辻:大阪の古い雑居ビルに事務所を構える除霊師。生粋の関西弁。「地平座標系」で霊を説得して宇宙へすっ飛ばす。
・あいつ:時代が生んだ、どこにも留まらない新しい怪異。

※本作は語り手(主人公)の主観と偏見を交えた独白・愚痴形式で進行します。医学的・専門的な知見に基づくものではなく、特定の疾患や当事者を揶揄・差別する意図は一切ございません。
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