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『月夜録─双月の夜─』

作者:Melly
最新エピソード掲載日:2026/09/20
『月夜録─双月の夜─』

美園高校に通う二年生、柊夜花。

料理も勉強もできる。

しかし、美術を専門とする学校に通っていながら、絵だけはどうにも苦手だった。

そんな彼には、誰にも知られたくない秘密がある。

――彼の中には、もう一人の人格が存在する。

その名は、夜華。

そして夜花には、もう一つ。

決して忘れることのできない過去があった。

幼い頃。

大切な幼なじみを救うため、夜花はたった一人で敵対組織の事務所へ乗り込んだ。

そこで組織を壊滅させた後。

最後に彼がしたのは――

事務所に火を放つことだった。

燃え上がる炎。

その姿を見た生き残りの組員たちは、かつて織田信長が比叡山を焼き討ちした姿になぞらえ、彼をこう呼んだ。

「第六天魔王」

だが。

夜花自身は、その過去から離れることを望んでいた。

そんなある日。

同級生の伊藤蜜柑が、しつこく言い寄ってくる相手から逃れるため、偶然目が合った夜花を突然「彼氏」だと言い出す。

こうして始まった、偽りの恋人関係。

最初は互いの都合から始まったはずの関係だった。

しかし。

ともに過ごす時間が増えるにつれ、その関係は少しずつ変化していく。

そして。

夜花の前に、忘れたはずの過去から一人の少女が現れる。

――氷見咲夜。

かつて夜花と付き合っていた少女。

何も言わずに自分の前から消えた夜花に、咲夜は今も怒っていた。

止まっていた二人の時間が、再び動き始める。

さらに。

夜花が暮らすことになる西ノ宮家では、幼い頃から夜花を想い続ける少女、西ノ宮輝女との生活も始まる。

偽りの恋人。

忘れられない元恋人。

幼い頃から続く想い。

そして――

夜花の中に眠る、もう一人の人格。

夜華とは何者なのか。

なぜ夜花は「第六天魔王」と呼ばれるようになったのか。

そして。

夜花が逃げ続けてきた過去は、彼自身と大切な人たちをどこへ導くのか。

二つの心を持つ少年の、新たな物語が始まる。

『月夜録─双月の夜─』
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