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シルビニャ

最新エピソード掲載日:2026/06/25
「オートマとか車じゃないだろ」――酒は乗れなくなるから飲まない。ヤニ代を払うくらいならフューエルワン(添加剤)を買う。人生のすべてを車に注ぎ込んだ、ガチの『車クズ』がここに。

埼玉県南東部某所のアパート『大山荘』。
その22番駐車スペースを聖域と呼ぶ、襟足の長い白猫獣人の男・藤野直人(24歳)。

関東難関私大卒で、カー雑誌の編集者としてそこそこ稼いでいるはずの彼だが、その生活水準は「車第一、己は第二、他人は第三」。

そんな彼が、前愛車を売り払い、クレジットカードのキャッシング枠(禁忌)まで使ってヤフオクで落札した新たな愛車。

それは、エアロなんてチャラチャラした概念すら剥ぎ取られ、メンバーフレーム丸出しに重いバッシュバーが溶接された、ボコボコのS14シルビア(ターボ)前期。通称「シルビニャ」。

あるのは、サビついたスパナと、ガラケーのヤフオク取引ナビ、そして完全に底をついた来月の食費のみ。

これは、車を愛しすぎて色々なものを置き去りにした一人の白猫獣人が、アパートの駐車場でチマチマと愛車を治し、仕上げていく、ただただ近所迷惑で、ただただ本気な、変なネコの話。
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